2010年12月3日金曜日

★根頭癌腫病とは?(少し専門的な話しです)

★根頭癌腫病とは?(少し専門的な話しです)

根頭癌腫病は、アグロバクテリウム・ツメファシエンスと言う
長い名前の細菌が起こすバラの病気です。
彼らは、原生動物(細胞に核を持たない古いタイプの生物)です
そしてオパインと言う物質が必要な生物です。
しかし、彼らは古いタイプの生物ですので、
自分の細胞ではオパインを生産する事ができません

そこで、高等生物のバラの根の傷から入り込み、
バラの細胞へオパイン生産の設計図である
遺伝子をバラの遺伝子に導入します。
それによりバラの細胞はオパインを生産し始めます。
そしてこの菌はオパインをゲットすると言う生活環を行っています。

このオパインと言う物質は、植物のサイトカイニンと呼ばれる
植物ホルモンにとても似た構造をしています。
植物ホルモンであるサイトカイニンの量が多くなると、
植物の細胞は細胞の塊(カルス)を作ります。
傷を癒すときに盛り上がる細胞ですね。

オパインは遺伝子導入によって沢山生産され、
サイトカイニン様作用でカルスをバンバン作ります。
これが癌腫の様な細胞の塊なので、
そして、根の上部に出るので、根頭癌腫病と呼ばれます。
これが膨らむと株が弱り、だんだんと小さくなって
いずれ枯れてしまう病気です。
(すぐには枯れません)

しかし、10年以上のバラの株には良く癌腫が付いているのですが、
その株は毎年良い花が咲き続けると言う現象が良くあります。
あるバラ園では30年以上の株が多く、その大半に癌腫が
付いていたりします。

癌腫病が致命的となるのは、若い株、
特に5年程度までの株に発生すると
枯死する率が高くなる様です。

最初、私は、この癌腫が膨らんで栄養を取るから枯れる
と思っていましたが、
注意深く観察すると、なんとバラの維管束部分をこの
(栄養を根から上に吸い上げたり降ろしたりする管組織)
癌腫が締め上げる事により、栄養が上下に移動しなくなり、
弱ると言う事に気づきました
また、株が若いと細胞活性も高いので、癌腫の成長が早い事
もある様です。

普通の癌腫病で、10年以上のバラの場合は、
株元が太くなる為、完全に締め上げないのと、
若木では無いので、癌腫の成長が遅いなどの理由で、
バラと共存している様です。

ですから、癌腫があっても毎年良く成長し咲いてくれるのであれば、
あまり気にしなくても良いと私は思っています。
ま、気づいたら癌腫を取り除いて、傷口に紅・樹葉エキスの原液でも
塗布してあげる
程度で良いようです。

早急な対処が必要な場合としては、5年以内の若木、
もしくはあまり大株にならないバラは、
きちんとした対処が必要となります。
そして、もうひとつ危険な癌腫病があります。
それは

スーパー多発型癌腫病!!!
これは、癌腫病のほんの数パーセント位だと思いますが、
とにかくバラの地際わだけでなく、根っこにも沢山の癌腫が発生する
やっかいな癌腫病です。

★根頭癌腫病との戦い方
http://roseadb.blogspot.com/2010/12/blog-post_8927.html

★根頭癌腫病の処置方法
http://roseadb.blogspot.com/2010/12/blog-post_8625.html

★根頭癌腫が発生した地面の処置
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